ボルト、ねじ、スタッドを選定する際には、強度、耐久性、耐食性を確保するために、適切な材質とグレードを選ぶことが不可欠です。国際規格ISO 3506-1は、耐食性ステンレス鋼製ファスナーの機械的特性を規定しています。この規格は、エンジニア、購買担当者、メーカーにとって有用な資料であり、ステンレス鋼のグレード、特性区分、これらのファスナーの適切な用途を理解するのに役立ちます。

本記事では、ISO 3506の主要な側面、ステンレス鋼製ボルトやねじなど各種ファスナーの種類、ならびにそれらの機械的特性および耐食性の分類について解説します。

ISO 3506とは？

ISO 3506は、ステンレス鋼製ファスナーの機械的特性を定義する国際規格です。以下が含まれます：

- ボルト、ねじ、スタッド

- 止めねじおよび類似のファスナー

- ステンレス鋼のグレードおよび特性区分

- 最小破断トルク値

- 細目ねじおよびISOメートルねじ（ISO 261およびISO 262に規定）の要件

ISO 3506に準拠することで、メーカーおよび最終使用者は、さまざまな産業分野においてステンレス鋼製ファスナーの一貫性、安全性、信頼性を保証できます。

ISO 3506におけるステンレス鋼のグレード

ファスナーに使用されるステンレス鋼は、その組成および微細構造に基づいて分類されます。本規格では、いくつかの重要なカテゴリーが示されています：

- オーステナイト系ステンレス鋼：ファスナーで最も一般的なタイプで、優れた耐食性を有し、海洋および化学産業で広く使用されます。

- マルテンサイト系ステンレス鋼：より高い強度を提供しますが、耐食性は低く、耐摩耗性が求められる用途に使用されます。

- フェライト系ステンレス鋼：中程度の耐食性を備え、一般にオーステナイト系よりも経済的です。

- 二相ステンレス鋼（オーステナイト系-フェライト系）：マルテンサイト系およびフェライト系の強度と、オーステナイト系の耐食性を兼ね備えており、オフショアや石油化学分野などの過酷な環境に最適です。